続いて、「ネットで少し調べて出てきた医学的な情報を信じて、医者の言う禁止事項を破ったり、処方された薬を飲まなかったりしたとすれば、その振舞いは『自分が専門家よりも薬についてよく知っている』と考える知的な傲慢さを表していることになる」として、知的な謙虚さの必要性が説かれる(113頁)。
知的な謙虚さの必要性には完全に同意だし、私も授業では必ずここに書かれているとおりの意味での知的な謙虚さの必要性について話すのだけど、それが学生に伝わっているかと言えば、ほとんどまったく伝わっていないというのが実感。
113頁の後半では、知的な謙虚さについてアリストテレスの中庸の徳のような説明。
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