101-104頁は「他の専門家による査定」について。専門家を自称していたらその人を専門家と見なしてよいのか、ゴールドマンが5つの根拠を挙げていると。
1つ目は、資格認定や学位。弁護士、医師みたいな資格であったり、博士といった学位であったり。
このあと「権威に訴える論証」への問い直しがなされる。これは誤謬推論の一種とされるものだけど「専門能力の証しのひとつである資格や学位という権威に訴えて、その分野のその人の発言を信じることには根拠があることになる」(103頁)と。
私はこれについても懐疑的。だって、その専門家が誠実であるかどうかは私たちにはわからないわけで、じっさい誠実ではないと思われる資格や学位をもった人が、それこそ御用学者のようにふるまう姿を私たちは少なからず目にしているから。
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