100-101頁でメタ専門家の話。再試をしても同じやり方で確かめるのならその説を信じる根拠にならないよねという問題提起から。
これは、どうなんだろう。科学的実験の理論負荷性みたいな話にも関係思想なところだけど、まあ厳密に言えばその通りなんだけど、ここでの議論でそこまで厳密にこだわる実践的な意味があるのかどうかについては正直疑問。でも、まあとりあえずこの点については受け入れたとする。
そこで出てくるのがメタ専門家の話。同じ領域の専門家は、その筋の専門家の評価をするのに向いているというのだろうか、能力が高いというのだろうか、ともかく著者の言い方であれば「餅は餅屋に」というやつ。
ただ、この点について、専門家への不信を払しょくするという文脈で言えば効果は無いと私は思っていて、というのも、地球温暖化否定論者(気候変動否定論者)ってまさにそのメタ専門家をあやしんで否定的に評価するわけだから。
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