「立花的なもの」を”憎悪煽動”とするならばだけど、憎悪煽動は日本においても昔からあった。
関東大震災時の虐殺だって前々から憎悪が煽動され、嫌悪感情が蓄積され爆発寸前乃至は散発的にヘイトクライムが発生しつつある状況で震災という極限的な状況が作られて更に爆発した。
わたしは関東大震災時朝鮮人虐殺より中国人虐殺のほうを調べているのでそちらの話をするのであれば、折からの経済状況の悪化やもっと言えば不況への突入で外国人労働者たる中国人の憎悪煽動はずっと行われていた。「俺達の仕事を奪う中国人」「不法入国して不法就労している中国人」、そういうヤツ。いまでもあるヤツ。
横浜では、地震の数か月前に、桜木町駅で荷下ろしをしている荷役を担う中国人労働者の集団を日本人の同業者の集団が襲って抵抗する中国人労働者と大乱闘になるといった事件が発生しているし、当時中国人労働者が働く会社や宿舎に対して「不法労働者がいる。逮捕して国外追放を」といった通報や嘆願書が警察に送付されるといった事が多発していた。
朝鮮人虐殺だって、日頃の憎悪感情を利用して、本来その理由が無かった戒厳令を朝鮮人の反乱的なデマを流す事によって行ったのが発端となってあの凶行が警察軍部市民によってなされたという事だろう。なぜ戒厳令(法的根拠が無いため、本来は戒厳令とは違う戒厳だが)を敷いたかと言えば、米騒動の教訓からだろう。
なので、憎悪煽動はいまに始まった事ではないし、盛り上がるのもいまに始まった事ではない。そして、それが行きつく先も分かり切っている。権力者がそれを利用して自らの権力維持を図ろうとするのも分かってる。
分かっているのだから、もう乗るな。もうやるな。というだけの事だと思う。