酒井 ピエール・クラストルという人はきわめて重要な人類学者かつ思想家であり、グレーバーとウェングロウの共著『The Dawn of Everything(万物の黎明)』も、クラストルなしではありえなかった本だと思います。
ある意味で、クラストルは世界史、あるいはわれわれの諸制度に対する考え方をすべて塗り替えていく、というかそういう爆弾を仕掛けてこの世を去ったような人です。それは彼が、人類学さらには考古学的な叡智を独特に解釈・集約して展開できたからなんですね。クラストルは「ワン・ビッグ・アイデア」の人だとも言われていますが、それは、いろいろなことをあれこれと論じるのではなくて、ひとつのアイデアをもとに大きな知的展開を成し遂げた人物、という褒め言葉なのです。
クラストルのワン・ビッグ・アイデア、つまり「未開社会というのは、国家を知らない未熟な社会なのではなく、国家を意識して遠ざけたのだ」というアイデアは想像以上のインパクトがあって、いまだにそのインパクトが拡大を続けている。これがこの本での解説で伝えたかったことのひとつです。(引用)
http://www.ibunsha.co.jp/contents/sakai_nakamura_hirata03/
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