「クローズアップ現代」での吉見俊哉ZEN大学教授の「日本列島全体が、この大学のキャンパス」という文字列、完全にCMでしかない。全面オンライン大学であるから、真実は「どこにもキャンパスはない」。これを「日本列島全体がキャンパス」などとは「白」を「黒」と言いくるめる詐欺師の論法である。せいぜいCMとしては今の日本の基準ではOKになるくらいだろう。
吉見俊哉氏は1957年生、東大相関社会科学で見田宗介さんに師事、「若き俊才」として知られていた。私も、東大総合文化研究科で指導教官は、森政稔先生、高橋哲哉先生、見田宗介先生だったから、吉見氏とは形式的には兄弟弟子にあたる。
しかし、吉見氏は学者としては最初の3冊だけで、後は学内行政をしながら、研究の質はあれよあれよという間に低下。ついにZEN大学の広告塔を務めるに至った。これでは見田先生も草場の蔭で泣いておられるだろう。研究者は常に研鑽を積んでいないと、優秀な人でも40代の作品が頂点という人がごろごろいる。昨今は「科研科研」で研究をさせないから尚更である。
しかし私は社会学者ではないが、日高六郎(「日高さんがいなかったら社会学者にならなかった」by)、見田宗介の学統は完全に「絶学」になった。どういうわけか見田ファンは意外に多いようだが(私は違う)。 [参照]