『その男、凶暴につき』(そのおとこ、きょうぼうにつき)は、1989年8月12日公開の日本映画。北野武の映画初監督作。松竹富士配給。興行成績は、配給収入が5億円。
キャッチコピーは「コドモには見せるな…」「暴力の崖っぷちに、愛が突っ立っている」
なお、興行上の理由で、宣伝ポスターでは主演・監督ビートたけしとされ、フィルムのクレジットでは監督北野武、主演ビートたけしとなっている。
あらすじ
捜査の為には暴力も辞さない凶暴な刑事・我妻諒介。その行き過ぎた行動と粗暴な性格から、勤務する警察署内でも危険人物として敬遠されていた。自身を理解してくれる数少ない同僚の岩城と他愛もない冗談を言いながらも、完全な孤立は辛うじて免れていた。また、そんな我妻は精神疾患を抱える妹・灯の面倒を観ていた。
ある日、港で麻薬売人の他殺体が発見される。我妻は新人の菊池を引き連れ事件の捜査を開始する。
登場人物
我妻諒介(あづま)
演 - ビートたけし
港南署刑事課の刑事で階級はおそらく巡査部長と思われる。血の気が多く暴力的で気性が荒い。作中では基本的に何かしら悪事を働いた相手に対し殴る蹴るの暴力をよく振るっている。暴力以外にも刑事にしては素行が悪く、ゲーム機で実際の金で賭博行為をしたり、よく後輩刑事から数千円程度で金を借りたりしている。麻薬が絡んだ売人殺人事件の捜査にあたる。
殺し屋・清弘
演 - 白竜
仁藤に雇われた殺し屋。麻薬ルートを持ち、殺しの依頼が無い時は売人たちに高値で薬物を売って稼いでいる。冒頭、港南の埠頭で取引相手の柄本が欲張ったため殺す。何の躊躇もなく殺人を犯しており、酒井によると「人を殺すことが好き」とのこと。実は同性愛者の模様。
我妻の妹・灯(あかり)
演 - 川上麻衣子
冒頭で病院を退院する。我妻から気にかけられており、退院後から自宅で面倒を見てもらうようになる。自由気ままに過ごし始めるが、ある時清弘に出会って拉致された後、その手下によって倉庫に監禁された上、凌辱されてしまう。
吉成新署長
演 - 佐野史郎
冒頭で1年間の予定で港南署に赴任し…