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そういえば、「フツウの家に生まれたかった!」と言って、中学生だったころの娘が荒れたことがあった。
両親ともフリーランスで、こちらは変な抽象画を描くことに軸足をおきながら日銭稼ぎの毎日で、相方は料理研究を生業としている。
同級生の大半が勤め人の両親(あるいはよりオーソドックスな場合は父親が会社勤めで母親が専業主婦)という家庭だから、それが「フツウ」だと感じたのだろう。
「フツウの家庭なんてこの世に存在しないんだよ」といくら説いても彼女は頑として理解しようとしなかった。だから「そのうち分かるよ」とだけ伝えた。
そろそろ理解してくれただろうか?
両親がこんなだから、本人は何か手堅い仕事に就きたいと考えているようだが、そうは問屋が卸さないと思うなー