岡野タケシ弁護士
〈「示談が成立したのに、中居くんが引退に追い込まれるのはおかしい」という意見を目にするが、それは「示談」という言葉の意味を誤解している。
示談とは、当事者間の法律的・金銭的な紛争を解決するための手段に過ぎない。示談が成立したからといって、社会的な制裁や道義的な責任まで消えるわけではない。
示談はあくまで、事件の法律的・金銭的な側面(当事者間の債権債務関係・賠償問題)を解決するだけだ。
もちろん、加害者としては、示談金を支払い示談を締結することで、社会的な制裁や道義的な責任まで問われないことを期待するだろう。また実際は、示談が成立したことで、これらの責任を免れるケースも多い。
しかし、法的にすべての責任がなくなるわけではない。
実際、刑事事件でも、被害者との示談が成立していても、裁判所は懲役刑などの刑罰を科すことがある。会社の懲戒処分も同様だ。示談の成立は、処分を軽減する一要素とはなりうるが、処分そのものを否定する理由にはならない。
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