『もういっぽん!』(“Ippon” again!)は、村岡ユウによる日本の漫画。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、2018年47号から2023年17号まで連載後、『マンガクロス』(同)に移籍して2023年4月6日から2024年5月16日まで連載。埼玉県を舞台にした女子柔道漫画である。
『YAWARA!』(浦沢直樹)を始め著名な女子柔道漫画は主人公が英才教育を受けたものや天才的才能を持つものであることが多いが、本作の主人公・園田未知は、天才にはほど遠い平凡な実力の持ち主である。傾向としては男子柔道部を描いた『柔道部物語』(小林まこと)、薙刀部を描いた『あさひなぐ』(こざき亜衣)のようなリアルで等身大の登場人物による部活群像劇となる。また、主人公たちの通う高校は共学ではあるが、単行本1巻の時点では名前が明らかになった男子生徒は登場しておらず、恋愛の要素はない。このため、女子高生を主人公にしながらもさわやかな「王道の少年マンガ」であるとライターの伊藤和弘は指摘している。
次にくるマンガ大賞 2019にノミネートされた。
『週刊少年チャンピオン』2021年32号、および単行本13巻の装丁帯にてアニメ化決定が発表され、2023年1月9日から同年4月3日まで放映された(#テレビアニメ参照)。
ストーリー
中学から高校入学まで
一本勝ちの快感のみを求めて柔道を続けてきた青葉中学3年園田未知。3年の大会を最後に綺麗に一本勝ちして柔道を引退するつもりだった。しかし、大会で当たった相手は見たこともない強敵で健闘空しく締め技で失神一本負けしてしまい、それが最後の試合になるはずだった。
敗戦から9か月。どうにか希望の青葉西高校に進学した未知は、恋に遊びに目一杯高校生活を満喫するつもりだったが、剣道部・南雲安奈の謀略で武道場に誘導され、そこで中学最後の試合で敗北を喫した氷浦永遠と再会する。柔道部入部を決めていた永遠の熱心な勧誘に期せずして乱取りを始めてしまった未知は、見事に永遠を背中から叩き付け、再び一本の快感に酔いしれる。未知の生き生きとした姿を見ていた親友の…