「朝日」が中村正則という作家に、またまた「行き過ぎたリベラリズム・多様性の尊重」が「トランプを当選させた」という類の痴れ言を掲載しているようだ。
「朝日」や「アエラ」には、この種のクリシェ(紋切り型」が繰り返し掲載されるが、何重にも誤っている。
現在世界中で、一方で「多様性」を掲げる言説が見られる一方で、選挙で「排外主義的極右」が勝利しているのは、単に、この「多様性」の称揚が「ソーシャル」の観点を(意図的に)欠如させた「ネオリベラリズム」の煙幕にしかなっていないから。
東京都の小池のように、関東大震災の際の、政府が主導した朝鮮人虐殺を否認する極右歴史修正主義者が「多様性」を掲げている国もある。
米国のハリウッド型「多様性」にしても、これは完全に「ネオリベ」型多様性でしかない。(ついでに言うと、アジアに対する「オリエンタリズム」は一向に改める気配もない)。
また中村は「マイノリティ」の要求が「声高」などと愚にもつかぬことを言っているが、そもそもこれが「マジョリティ」の「反PC」的クリシェ。そもそも「強い声」を挙げなければマジョリティは「声」そのものに気付かないし、聞く気もない。
さらに中村は生物の例を挙げながら「保守」の決定論的優位性を説くが、これはお話にならない。 [参照]