#私の話discrimination
VOL.12
私はそれまでエドとは挨拶ぐらいしか交わしたことがなかった。
でも、このときはミミと親身になって相談にのってくれた。
自分の娘も大麻の冤罪で、結局は公立に転向させたので、
「他人ごととは思えない」
と言ってくれた。
話の途中でくすっと笑って、
「それってルーシーが犯人なんじゃないの?」
事件が起きたときすぐコロラドで警察に通報するべきだった、すぐに指紋なりで捜査して犯人はわかったのに、サンディのときもそれをすぐやらなかった自分に悔やんだそうだ。
エドはジューイッシュの家系ではあるけど、親がユダヤ教を選択しなかったので、ごく普通にポーリッシュ系アメリカ人として育った。人種差別的な要素を感じる、とも言ってくれた。
日本語はできなかったけど、日系企業であるミミの父親の会社を継いで、エドは社長になっていた。
職業柄、ビジネスレターは書きなれている。法律にふれないぎりぎりの真実を書いた文章を自分が書くから、フェイスブックやメールで関係者に拡散してみてはどうだろう、と提案してくれた。