>>操縦者の渡辺 由唯を制御下への移行させることには相当な困難が伴った。まず膨張崩壊の収束に4ヶ月を要した。
>>次に容器から取り出すことだが、容器の開封には成功したものの、溶解液から離液すると身体の形状が徐々に崩れていく現象が確認された。その為、再び容器に戻した(接液すると形状は復元された)。取出しの方法を模索するが仮想実験はすぐに躓いている。
>>考えられた方法は「容器内で渡辺 由唯の手足を切断し、その部位を容器から取り出して現象確認と対策試行を実施する」となった。まず取出し手段に、気中取出し、冠水取出し、真空取出しの3つが用意され、次に接触適応手段まで立案が行われた。また観測されたシグナライフが直近に出現したアスピシャスと酷似している為、リリィは「もっと進んだ文明向けの行動をしている」「自分たちの性質から連想するに、多分向こうは局地制圧タイプ」と考え、シグナライフや交戦データから現在回復から制御下へ移行の計画を複数立てた。
>>最終的に形状保持の発見に1年掛かり(1度崩れなかったら今後も保たれることも確証を得た)、引渡しから運用開始まで3年の月日が消耗された。