在留資格なんかちょっとした拍子に無くすことがある。
いまとは法も制度も違うけど、1998-2010頃、私は国内の資本の半導体関連企業で採用を一人でやっていた。
ある時フィリピンの方が応募されてきた。
その方は日本語の会話は若干出来るが読み書きはまったく出来ない。もちろん英語は出来る。最初に連絡が来たときは日本語の文章をアルファベットを使って書いてきた。「watashi wa shigoto wo sagashiteimasu」みたいな感じで。
経歴を確認すると、専門的な教育を受け、日本国内大手メーカーでの技術者としての経歴がある。
当時会社はFPGAという半導体に力を入れていてその設計開発センターは常に人員補強を必要としていた。そしてデジアナ混載回路設計の技術者も常に不足していた。
彼の強みはまさしくそこのように思えた。
より詳しく確認するために設計開発センター長の面談をセットしたところ、センター長は「経験・知識・技術は十分」と言う。
採用に向け準備を進めるには一つ問題があった。
彼のビザは切れていた。
応募時点あるいは採用選考終了時点で彼は非正規滞在者だった。
なぜそうなったか。
当初大手メーカーの技術者として来日したが途中で契約が終了し、職探しをしている間にビザが切れてしまった。
簡単に在留資格は無くなり得る。
いまと法も制度も違うし忘れてしまったとこが多いので詳細は割愛するけど、適法に処理をして、結局彼は採用され、在留資格をまた得る事が出来た。
その後彼は、私が会社を退職する時も在籍していましたね。