自公が大幅に過半数割れしたため、国民民主党や維新が連立に加わらないか不安視する声を多く聞きます。これらの政党は右派的な傾向が強く、分野によっては自公より急進的な保守である面もあるので、実際、彼らが連立に加わることで、短期的に更に好ましくない方向に政権が引っ張られる可能性は考えざるを得ません。
しかし、長期的にみると、維新や国民が与党入りすることは、「野党」面をしている自民党の補完勢力がその旗幟を鮮明にすることを迫られることでもあります。維新は今回大阪での盤石な地盤を示しました。しかしながら、一旦与党入りすれば、「非自民」の選択肢として維新を選んでいる大阪外の有権者にとって、維新はもはや選択肢となりえなくなります。つまり、大阪の外での維新の党勢拡大は絶望的となるわけです。
国民民主党も同様です。今回国民民主党に投票した有権者の多くは、自公政権の信任票ではなく、不信任票を投じたわけです。与党入りして実質的に自民党と一体化したら、これらの浮動層は一気に国民民主から離れていくことでしょう。
つまり、維新や国民民主にとって、自公と連立することは、自滅への片道切符なのです。