おじいちゃんが倒れた場所はパン屋の前だった。出勤か休憩上がりかでやってきた店員が声をかけてくれ、タオルやいすをほかの店員と一緒に持ってきてくれた。機転の利いた対応に感服する。
お店から出て来てくれたリーダーらしき店員さんは「おとうさん」と声をかけていた。私は最初「おじいちゃん」と声をかけたけど、そもそも呼称として何がふさわしいのか、悩んでいたのでこういうのは難しいなとあらためて。80代も後半ぐらいには見えるけど、「おじいちゃん」は失礼かもしれないし、かといってお子さんがおられなくても「おとうさん」でいいのか、だったらいっそのこと「おっちゃん」が正解なのか、咄嗟に判断できない自分の至らなさがうらめしかった。
もうひとつ。状況から言って救急車を呼ばないという選択肢は考えられなかったけど、それでも必死に拒む人を無理やりその場にとどまらせることまではできず、結果的にその方がふらふら歩いてまた倒れる状況を避られなかったことが悔やまれる。何をどこまでするべきだったか、安全のことを考えればやはり無理にでもその場にとどまらせておくべきだったと思うけど、適切な手段・方法がわからず悩ましい。