→ 「戦争はコストで、できるだけコストを小さくしながら利益を得る」という状況ですらなくなってる。代わりに進んでいるのは「戦争のコストの外部化」だ。戦争の被害は、国内植民地と同盟国と呼ばれる従属国に徹底的に外部化する。中核部分の指揮系統だけは抑える。日本も、統合作戦本部設置で、米国の指揮系統にシームレスに連結させられるようになった。いよいよなんの歯止めもない。
「練度の高い部隊をリスクの高い作戦に投入する」というようなどうしても残る戦術上のニーズには民間軍事会社が応える。民間軍事会社は「報酬さえ見合っていれば」決して嫌がらないし、自前で育成するより遥かに低コストでニーズを埋められるのだろう。そして、戦争をやればやるほど儲かるのだから、決して厭戦気分には陥らない。
もはや、戦争そのものが完全にビジネスとして確立している。今のアメリカには、そもそも「戦争を避けよう」という発想がないように思える。NATOの東方拡大からロシアを挑発してきたのも、中東和平の進展をむしろ妨害しているのも、日本や台湾を巻き込みながら中国を挑発し続けるのも、到底、「戦争を抑止しよう」と考えているようには思えない。