ベトナム戦争が終わったのは、アメリカ国内の厭戦感情が高まったからだ。たくさんのアメリカ兵たちの犠牲。莫大な財政負担。そして、大義なき戦争。戦争にまつわるあらゆることが人々をウンザリさせ、そして戦争は終わった。しかし、その後のアメリカは、この経験を「最悪の意味で」乗り越えつつあるように思える。
戦争のハイテク化は、アメリカ兵の犠牲を著しく減らすことに(のみ)貢献する。それでも地域の実効支配を目指す地上戦での犠牲はなかなか減らなかったが、アメリカそのものを分断し、国内植民地たる貧困層にリスクを押し付ける(経済的徴兵制)。戦争から利益を得る階層はノーリスク。さらに、ロボット兵器等の開発投入で、いよいよ戦争国家は自国の被害のみを減らす。
財政負担のありようも様変わりした。アメリカの軍需産業は、アメリカ政府ではなくその同盟国に武器を売ることで稼ぐビジネスモデルを確立した。同盟国政府の財政なんて知ったこっちゃないから、相手次第でどんな阿漕な商売でもやる。型落ちや開発失敗した兵器を言い値で買わされてる日本なんて、本当にいいカモだ。そして、同盟国に武器を買わせた上でどんどん戦争に巻き込む。→