中国のアクティビストにも漢詩を嗜む人がいるというので私も百人一首から読み直そうと思って退勤の電車でカルタゲームのアプリをポチポチ遊んでいたところ、さっそく小野篁のおもしろさを知った。
遣唐使に任命されるものの上司に割り振られていた破損した船を押し付けられそうになったので乗船拒否して流罪される(処分覚悟で労働問題に抗議する気概と責任感が😳)。そこで詠んだのが第11首。「オレは大海に漕ぎ出たと言っとけ(意訳)」。いい性格してますね。何事かと思って背景を調べるに至った。
当時、日本の知識層はもちろん『白氏文集』など重視していたのだけれどもその作者の白居易も文才に優れる人物とかで小野篁を知っていたようで、大唐で邂逅する可能性も大いにあったけれどもこのために叶わず。残念です。嵯峨天皇はだいぶよくないやつだな。
全く別件ですけど中国側から帰国する遣唐使に送った送別詩というのも有名で面白いものがあるのでおすすめ。中国知識人と日本知識人の当時の人的交流や「海洋」のイメージの参考にも。
作者は超有名な王維(「渭城の朝雨軽塵を浥し…」の人です)の「送祕書晁監還日本國」。
帰国するのは阿倍仲麻呂。