「教育虐待」の事例を題材にしたマンガが出版されたのを見かけて、そういえばその原作があったな、ということで読んでみるかー、と書評など眺めていたら、もう少し前に別の著者が同じテーマで新書を出しているのをみかけ、評を読んだら構造的な問題にも触れているとのことで、ああ、じゃあこっちを読んだほうがいいだろう、とおもってそちらを読んでみた。
「ルポ 教育虐待」 おおたとしまさ、という本である。
2時間ほどで読めるが、とても良い本だった。事例の紹介から始まり、分析し、本質に向かってゆく。教育虐待の背景には、人間を「人材」と呼ぶような社会の価値観があり、その淵源は明治以降の国家動員体制である、したがってそこから変えていかなければいけないのではないか、人よ、自由であれ(とまではいっていないが)、という内容であった。