Waymoのレベル4(注2)自動運転車は今のところ死亡事故を起こしていない。ただし、Uberのレベル3自動運転テスト車は死亡事故を起こした。テスラのレベル2自動運転(運転支援機能)が原因と疑われる事故は多数発生している。いずれの人間のドライバーの責任として処理されている。
注2:レベル2は人間のドライバーを支援する運転支援機能、レベル3は人間のドライバーが監視する自動運転。いまのところ判例ではレベル2、3の事故責任は人間のドライバーが負う形となっている。レベル4は走行区間を限定した完全自動運転。
Waymo車の現状のデータでは、事故率は人間よりも低い。また死亡事故は今のところ起こしていない。だが、現状のデータから「自動運転車の方が人間よりも安全であるという結論が出た」と考えるのはまだ早いと考える。
なぜなら、Waymo車はあらかじめ決められた区間を走る(つまり道路のデータがよく準備されている)「レベル4」自動運転である。また走行距離が合計2200万マイルにすぎない。走行区間の範囲が広がればデータがよく準備されていない区間も走ることになるだろう。また走行距離が長くなれば、いままでに起きなかった種類の事故も起こるだろう。今のデータだけで「人間より安全」と断言することはできない。
(続く)