215系電車(215けいでんしゃ)は、かつて東日本旅客鉄道(JR東日本)が保有していた直流近郊形電車。1992年(平成4年)から1993年(平成5年)にかけて10両編成4本(40両)が製造された。
概要
増加する東海道線の遠距離通勤に対応し、着席サービスと並行する貨物線を活用した速達サービスを提供するためのライナー列車「湘南ライナー」・「湘南新宿ライナー(→おはようライナー新宿・ホームライナー小田原)」で運用されることを目的として開発された。両先頭車を除く全車が2階建車両で、普通車1両の座席定員は最大で120名、1編成で1010名である。
デザインは剣持デザイン研究所が担当した。1992年にグッドデザイン賞を受賞した。
構造
車体
211系(サロ212形・サロ213形)や113系(サロ124形・サロ125形)、415系クハ415-1901を元に設計されたオールステンレス車体で、前頭部は普通鋼製となっている。出入口は普通車は幅900mmの片開き扉を、グリーン車は幅800mmの片開き扉をそれぞれ片側2か所に設けている。
エクステリアは「ジェントル&ノーブル」を基本コンセプトに、幕板部をベージュ■、2階窓周りをダークグレー■とし、扉部をあずき色■としている。先頭の鋼製部分は白く塗装し、アクセントとして貫通扉はあずき色に、運転台窓周りはグレーを前面から側面に掛けて巻いている。なお、貫通扉や車体側面には、「Double Decker Liner」の略である「DDL」の文字を図案化したロゴが貼られている。
10両編成のうち両端の各2両(計4両)を電動車(クモハ215形 - モハ214形。それぞれ定員64名、120名)とし、中間の6両はすべて付随車の4M6T構成となった。
両端の電動車ユニットの基本設計は同一で、下り熱海方は方向転換する形で組み込み、上り東京方を100番台、下り方を0番台としている。制御電動車は、機器を集中搭載するため通常の平屋構造の車両と同様にフラットな台枠構造とされ、床下に機器を搭載するとともに2階部分の床下台枠上も機器を搭載している。
パンタグラフはクモハ215形の車端部にPS24形を装備しており…