「なかったことにする」の力はものすごいと思っています。なかったことにしたい、という願望はものすごく強力だと感じてる。「なかったことにしたい」の発生地が「加害側でいなくてはいけない後ろめたさ」であることももちろんあるだろうと思っていて、それが「他のことに関してはすごく真っ当なのに、なぜこの問題だけズレまくったこと言うのだろう」に繋がっていくのだと思う。し、後ろめたさですらなく、過去の加害を自分たちから切り離せる考え方のために、「邪魔」「厄介」「めんどくさい」「汚点を“きれいに”したい」という非常に乾いた理由で歴史と記憶に消しゴムをかけたがることもあると思います。政治は後者をやっていると思う。だから本当に躊躇いも罪悪感もないように見える。そのうちに「なかった」をまっすぐに信じられるようになって、事実になってしまうの、身近なところにも(自分の中にも)あるのではないか。そうなってからじゃ遅いと思います。