はたと思い出したが、私は幼稚園生だった頃に、駅の近くの路上に常駐していた二人組の傷痍軍人を見ている。日本の敗戦からまだ30年も経っていないのだから、戦闘で身体に障害を負った兵隊さんも当時は50代から60代であった。明日で敗戦79年で、その頃から戦中までの年数の二倍以上の時間が、私が傷痍軍人を見ていた時から時間が経っていると思うと、自分もまた戦後の人間であったのだなー、と思う。