海外から見た、上澄みの綺麗に編集された日本カルチャーを見る目線と、ポルノが乱雑に積み上がり性教育がろくになされずフェミニズムへの攻撃が横行する日本の中での日本カルチャーを見る視点には絶望的な断絶があり、英語圏のカルチャー系メディアを読むのが時々辛くなることがある。日本の政治状況と一体になった日本のカルチャーの状況は永遠の伝わるとは思えず、それを楽しむ海外のクィアな人々との間にある断崖絶壁。同性婚が実現された世界におけるYuriと実現されていない世界における百合には同じゆりでもあっても、全く違う性質がある(だから水星の魔女の二次創作の動きは嬉しかったけど)。それはまた、ジャポニスムが女性への視線を媒介にして西洋と日本を結びつけてきた美術史とも関連しているし、今でも受け入れられていることでもある。