アメリカの言論の分断状況をそのまま日本に適用しようとしている人が多いのも、すごく不思議に思っています。
日本ではアメリカで起きているような過激な分断状況は発生していないにもかかわらず、同じことが日本にも起きている!と騒ぐことによって、日本でも同じような激しい分断を引き起こそうとしているようにしか見えないのですが、そのことが日本にとってなんのメリットがあるというのでしょうか。
アメリカと日本は、第二次世界大戦後、日本が占領下におかれ、その後も日米同盟などで、政治的文化的に強い影響下に置かれ続けたのは間違いないのですが、国家の成り立ちや統治機構制度としての共通性は比較的薄く、日本は欧州の方がむしろ共通性が多いと感じています。
それは、明治維新の際に、日本はもっぱらドイツを中心とした欧州から制度を取り入れたという側面も大きいと思いますし(軍隊は当初はフランス式)、また、歴史的な共同体が存在し、それらの延長線上で現在の国家へつながっているという都市や国のスケール感としても同様に感じます。
敗戦後の日本は、欧州型の統治機構社会制度の上に、アメリカ型の統治機構社会制度が載せられ、ぎこちない社会制度に日本はなっているように思っています。