空前の買いオペは、国内の資産価格(株価や不動産価格)を押し上げた。もう一つ、円売り外貨買いで外貨や海外の資産を買う動きにもつながるから、円安が進む。これが輸出(海外からの観光需要含む)を押し上げる効果は、まぁ、もちろんある。
結果もたらされたもの。整理すると、次のようになる。
(1)国内資産価格の高騰からの資産効果による消費需要増加とこれに刺激を受けた投資需要増加。
(2)円安からの輸出・国内インバウンド需要増加と関連投資増加。
総需要を押し上げる効果としてはこのあたり。
ただし、もともと富裕層以外の国内消費需要が細っていたところはまったく変わらない上に、資産価格高騰によって格差が拡大、さらにこの間進んだ社会保障切り下げと「自助!」の大合唱により将来不安が増幅、本来的な国内消費需要は徹底的に痛めつけられ、投資需要も増えない構造が固定化する。根本的な病因には対処してないどころか、むしろ、悪化してるわけだよね。
そうこうしてる間に、大量の国債を日銀が吸収しつづけ、これに相当する現金が市場に供給されつづける。これを止めれば(1)も(2)も止まるわけだが、止まると何が起こるか。