まとめると、こんな感じ。
総資産=現金通貨+債券
(現金通貨 流動性高、収益性低)
(債券 流動性低、収益性高)
政府債務=現金通貨+国債
(現金通貨 流動性高、収益性低)
(国債 流動性低、収益性高)
ここでアベノミクスとは何だったか、を考えてみる。三本の矢だのなんだの言ってたが、結局のところ、異次元の金融緩和というのはゼロ金利政策に加えて「空前の規模の買いオペをやる」ということで、「市場に現金通貨を増やして、国債を減らす」ということをやったわけ。政府債務のポートフォリオを大きく変えた。
これが何をもたらすかというと、民間部門のポートフォリオにおいては、「収益性の低い現金通貨を増やし、収益性の高い債券を減らす」ということになる。すると、人々は収益性と流動性のバランスを調整するから、「増えた現金通貨で、国債以外の債券を買う」わけで、だから株価と不動産価格が上がる。資産価格だけは上がっていくわけね。ここに年金基金の積立金もぶっこんだから、余計にそうなる。
こうして資産価格の高騰(人為的バブルじゃないかな、これ)を背景に、急増した富裕層の消費需要た多少景気をよくした。けども……。