無から生み出された通貨が、なにゆえ世間で信用力を獲得するのか。MMTに従えば、政府はまず当該通貨による納税義務を人々に課し、これにより人々は納税手段を獲得しようとする=納税手段たる貨幣への需要が生まれる。……手品みたいな話だが、まぁ、説得力のある理屈だと思う。
納税手段としての貨幣需要、これは「本源的貨幣需要」あるいは「原初的貨幣需要」とでも呼ぶべきものかな。これが生まれると、その通貨は当該社会のなかで取引の決済手段としても使われるようになるし、価値保存=貯蓄の手段としても使われるようになる。こちらは「派生的貨幣需要」とでも呼ぶと良いだろう。……こうして、人々の間に当該通貨を保有する(当該通貨との交換に、財やサービスを提供する)動機づけが生まれる。
通貨の発行とは、要するに、その通貨による財やサービスの購入である。つまり、無から生み出した通貨を用いて、財やサービスを購入することだ。通貨が発行される「最初の使用」の時点では、対価なしに財やサービスを手に入れていることになるわけで、これがいわゆる「通貨発行益」に相当する。
こんな感じなら、結構わかりやすいですかね?この話続きます。