で、都知事選挙で投票しなかった都民が4割いるという話だが、こういう人は「自分が世界の主人公であることに固執している人」だと思われる。いや、素敵なストーリーを生きている人という意味ではなく、個としてある自分の視界の外に茫漠たる世界が広がっているという残酷な事実に向き合えない人という意味だが。民主主義とはこの残酷さに向き合うところから始まる。
そして石丸はこうした民主主義忌避者たちのいくばくかを投票所に向かわせたのだろう。彼の在り方は民主主義の味気ない残酷さを自己啓発本的ヒロイズムで凌駕するというノンポリうってつけのなろう系ファンタジーだからだ。この「誰もが人生の主人公ファンタズム」は極めて心地よく、極めて強固だし、どんなに公共性意識にあふれた人間にも多かれ少なかれある。実際我々は自分の人生の主人公ではあるし。その意味で民主主義は極めて「不自然」なのだ。その不自然さに向けてえいやと跳躍する行為が投票なわけで、尻込みしている人間のケツを叩き、なおかつ石丸のような非民主主義ファンタズムを拠り所にしている候補者には入れさせないとなると、こりゃ大変だ。以上。
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Satoru Hasegawa (tsbasatoru@toot.blue)'s status on Friday, 12-Jul-2024 00:15:51 JST Satoru Hasegawa