「枕草子のたくらみ」平生昌邸での出産の章を読んでる。一条天皇はこの頃まだ若いから仕方がないけど、私の中で批判が止まない。
後ろ盾もなく出家したことで中宮の地位も万全ではない定子を内裏に呼び戻し妊娠させて第二子を出産させるという一条の決断と行為によって、一条ではなく定子が貴族社会から非難されて、道長に敵対するとみなされて道長の圧力よってより孤立させられるのが、やりきれない。
道長に敵対することを恐れた貴族が誰も屋敷を提供しないので、中宮が滞在するにはふさわしくない生昌邸での不本意な出産につながる。生昌は道長の内通者で、何重にもひどい。そら清少納言も生昌への文句を書き連ねるよね。道長や他の貴族を批判するわけにはいかへんし。
そうなることを一条はどこまで想定していたのかな。公より私を優先した人間らしい人なのかもしれないけど、後の人間からすると、定子や子への「愛」っていう私情を優先したいなら、退位しとけよって話やし、道長の圧力から定子の守る力がないなら定子から離れるのも大きな「愛」やろって思う。
定子は第三子の出産で亡くなるけど、それまでに数々の心労で弱りきっていたことも原因やんな。