入管法改悪の推進者たちは、税収だの治安だのといった何らかの合理性を追求するために永住許可取消しを制度化しようとしているのではない。永住許可取消しは、手段ではなく目的だ。つまり国家が在留者の生殺与奪の権を握っていることを自己確認し、支持層である排外主義者たちにそれをアピールするため、差別の構造を温存し、強化するためだけに、この制度はある。だからこの改悪された制度に定量的な実利は一切なく、どこまでも象徴的な価値しか持たない。この価値はもちろん排外主義者にとっての価値であり、犠牲となる人々にとっては象徴であるどころか、どこまでも現実の悪夢でしかないのだが。