「マッドマックス」シリーズ最新作映画『マッドマックス フュリオサ』の公開が近づいてきたこともあって、また「『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はフェミニズム映画か?」論争が再燃しているみたいだけど、それに便乗して私も…。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は確かに「家父長的な女性搾取の集団に女性たちが団結して立ち向かい主人公男性が女性に席を譲る」物語でしたが、そこに至るまでのシリーズの歴史はもうちょっと複雑で…。というのもこのシリーズの悪役は男性的というだけでなく、そもそもゲイのステレオタイプから構築された表象だからです。初期の過去作は「ストレートな男性主人公が野蛮なゲイ男性集団を倒す」という規範的な話とも言えます。『怒りのデスロード』は「家父長的な女性搾取の集団」の印象を強めることで、従来の偏見ありきのゲイ集団の印象を上書きしていたのではないかな、と。