日本で、まともな「リスクコミュニケーション」が概念としても行き渡らないのは、医師の影響力が強すぎることも背景原因として大きいのではないかと最近思うようになっています。
彼らは認識として、トップダウン型の治療者ー被治療者の関係性しか想定できないので、ともに考えていく、ルールを作り出していく、ということが、そもそも理解できていないと思います。
職業柄、やむを得ないことではありますが、ただ、それは医療の治療の世界でのみ通じる関係性であり、社会に敷衍できるものではありません。
ところが、多くの医療者はそのことを理解しないで、医療型関係認識のまま、リスクコミュニケーションも当然のものとして行おうとし、そのことがさらに反感を読んで、状況を悪化させている、と思います。
この点、コロナの尾身さんは、医師にしては驚くくらいの柔軟性を見せたのではないかと思います。批判する方も多いですが、福島のリスコミの絶望的な状況を考えれば、あの柔軟性は驚愕するレベルです。