アップルサイダー(英: Apple cider)とは、リンゴを原料に作る無濾過・無加糖・ノンアルコール飲料の、アメリカ合衆国およびカナダの一部での呼び名である。リンゴ果肉粒の懸濁により透明でなく、使用するリンゴの種類により一般的な濾過済みリンゴジュースよりも味が濃い。スイートサイダー(英: Sweet cider)、ソフトサイダー(英: Soft cider)とも呼ばれる。
この無調整サイダーは季節商品の飲料であり、貯蔵期限が制限され通常は秋にのみ販売されるが、冷凍して1年中使用することもある。伝統的にハロウィン、感謝祭、クリスマス休暇に供され、温めて香辛料を加える場合もある。
呼称
Cider(英語でサイダー、フランス語でシードル)という用語は、世界的にはリンゴを原料とした発酵アルコール飲料に対して用いるが、アメリカ合衆国およびカナダの多くではこれに対してhard ciderという用語を用い、単にciderと呼ぶ場合には上記のような無濾過・無加糖・ノンアルコールのリンゴ果汁飲料を指す。アメリカ合衆国では無添加の「リンゴジュース」と「サイダー」の区分には曖昧さが残る。。
個々の状態には相違がある。例えば、マサチューセッツ州農業資源局によると、「リンゴジュースとアッブルサイダーは共にリンゴを原料とする果汁飲料であるが、相違がある。無調整のサイダーは、果肉の粒や沈殿物を取り除く濾過処理を行わない生のリンゴジュースである。リンゴジュースは、濾過処理で固形物を取り除き、長期保存用に低温殺菌したジュースである。真空パックや更なる濾過処理により、ジュースの賞味期限がのびる」。カナダでは、カナダ食品検査局が「低温殺菌していないアップルサイダー」を規制している。
製品
近代的手法により、従来の自家製飲料が製品として製造可能になった。約2キログラム (4.4 lb)のリンゴで1リットル(0.21 US pt)のアップルサイダーを生産できる。リンゴは洗浄、切断し、アップルソースの状態になるまですり潰される。出来上がったものを布袋に包み、木製またはプラスチック製の台の上に数層積み重ねる。これを油圧プレスで一度に絞り、ジュースは冷蔵タンクに流れる…