生活保護の暮らしに対する想像力のない人というのは、一人世帯の場合の生活扶助費が『70,000円』だと聞くと、一か月に食事や雑費に70,000円使うことをイメージすると思うんですね。しかしまず光熱費と通信費で25,000円出ていくので、食費と雑費は45,000円です。
で、例えばコインランドリーは都内だと一回にだいたい700円くらいかかります。生活保護受給者は着替えもそんなにもってないので、どんなにどんなに工夫して切り詰めても一カ月に衣服だけで5〜6回、その他にシーツや布団カバーも洗うから、洗濯代は毎月4,000円以上かかります。
さて、これだけでもう食費が一週間に10,000円を切りました。当然ですが雑費は足りてません。もちろん衣服費だってありません。靴下を買うためには食費を削らなくてはなりません。穴の空いた靴下を見た人が不憫に思って買ってくれたのなら、申告しなくてはなりません。
それで、今の生活保護法は「違憲である」と判決がでたんですね。でも判決を無視することへのペナルティがないので、生活保護費は改定されませんでした。