2016年くらいから、社会の変化が鈍くなった印象を強く抱いています。復興政策で、なにか動きがあった時に、それに対する軌道修正のリアクションが社会から起き、その作用・反作用の相互作用で一定程度の調整がなされた後、方向性が定まるというプロセスがあったのですが、その動きがだんだんと弱まり、2017年以降は、ほぼなくなった、と思います。
その後に主流になったのは、惰性だけで流れていつのまにか物事が既成事実化されていく、というあり方です。
なぜこうなったのかは、2015年ころを境に、団塊の世代が65歳に入り、ほぼ退職を迎え、年金生活者が増え、社会変化に対して保守的になった、というのが大きな理由ではないかと思います。
社会全体が高齢化すると、社会変化を求めるバネ自体が効かなくなり、様子見、長いものにまかれろの風潮が強くなるのは、今後収入が増える見込みもなく、変化を求めるよりも安定を求め、老化で気力体力も衰える年金生活者の傾向を考えると当然だと思います。
ただ、こうなると福島の復興政策もそうですが、現実には、変化が必要だった局面で、変化が起きず、かつての古き良き時代に戻ろう、という後ろ向きの方向性が強まる帰結をもたらしてしまうことになります。