福島県の自主避難者への追い出し提訴が端的に示しているように、福島県庁の住民に対する冷酷さは、他の県庁と比べても突出しているのではないかと思うのですが、他の県庁はどうなのでしょうか。
自分で書いて改めて思いましたが、自主避難の人は、震災時の経験やその後の孤立状態によって、PTSDと思われる状態になっている人の割合が相当に高いことは、これまでの各種アンケートからわかっています。
そういう人たちに対して、なんら共感のメッセージを出すでなく、「言うことを聞かないなら出ていけ」と恫喝的な提訴を行うのは、正直、行政のやることではない、と思います。(ヤクザの方が近いでしょう。)
私が非常に腹を立てているのは、私が知る自主避難者の人たちのほとんどは、地元に残った人以上に福島への愛着を持っている人も少なからずいることです。
福島生まれで福島育ちで避難先でも福島訛りが抜けず、福島だけが今も故郷だ、けれど、事故の記憶が薄れない限りは戻れない、という人もいます。
それに比して、内堀さんは長野県出身で仕事の都合で福島に派遣されてきただけで、福島以外にもふるさともあれば、行き場所もあります。
なにを大切にすべきかを、福島の復興政策は、県庁は、見失ってしまっている、と思います。