アベノミクスの中核である「異次元金融緩和」というのは、いわば病体の日本経済にクスリを打っているだけなんですよね。クスリで痛みを感じなくさせている間に、体質改善や筋肉増強を地道に進めていれば、クスリをやめても健康に生きていける。ところが、日本の企業はそれをしてこなかったのだ。
中には「アベノミクスを評価する」と言う人もいます。円安で何もしなくても売上や利益は増えますし、株価も高くなりましたから。ただ、繰り返しますが、それは日本経済の実力ではなく、「クスリ」によって一時的に痛みを感じさせなくしてきただけです。
ですから、出口戦略をやり切った時に日本経済がどうなっているかで、アベノミクスや異次元金融緩和の評価は為されるべきだと思うのです。どんなに途中で「いい気分」になれたとして、「最後は激痛」だったら、それは大失敗だったということになります。