13年目の3月11日。
能登の地震で崩壊した建物をテレビで見ていると、東日本大震災より酷かったのではないかとすら一時思わされた。震災後、現地をずいぶん歩いたけれどあれほど酷い崩壊は記憶にない。
そのうち思いついた。そうか津波だ。本来なら瓦礫が並んでいたはずの海岸沿いの街はおそらく全て津波で押し流された。あるいは原発事故で入らなくなった間に朽ち果てた。
そのため能登のように、劇的に倒壊した建物群が我々の目に触れることが(あれでも)少なかったのだろう。
もしも津波も原発事故もなかったら、見渡す限りの倒壊した家々が並んでいたのかもしれない。
そんなことを思っている。