沖縄にはコールセンターが多い。沖縄ならではのホスピタリティを植民者が低賃金で買い叩く。
苗字で沖縄人とわかるので少しでもミスれば「これだから沖縄は」と罵倒され、素晴らしい対応を見せればヤマト企業の功績とされる。何重にも搾取されるグロテスクな構図に怒りしかない。
そんなコールセンターで働く人から時折グッとくる話を聞くことがある。
ある日、ヤマトで働く沖縄人がお客さんとして問い合わせをしてきた。コールセンターのスタッフが沖縄の苗字だとわかると饒舌になり、最後に「ちばりよー」と言って電話を切ったそうな。
スタッフはヤマトで働いている沖縄人の苦労を想像し泣いた。自分もたくさん苦労しているはずなのに、と。
遠くで頑張っている同胞からふいに向けられるがんばれの一言。たったそれだけの言葉で心が揺さぶられるのは、日本にまだ差別が残っている証ではないの。そうでなければなぜ泣くの。
「琉球人お断り」という差別は表向きなくなったように見える。でも実際は差別が巧妙になっただけで何も変わっていない。
差別する側もされる側も無自覚なこの島だけど、「ちばりよー」と言った沖縄人を思って泣ける人がいる限りまだまだ沖縄は大丈夫な気がする。
がんばれよー、がんばろうねー。