やる気がどうこうと言っているときは、スタニスラフスキーに「君は何をしているのかね」と訊かれてジュリエットの可愛さにうっとりし恐ろしく惚れているのですと答えた役者のようになっているとも考えられて、それに対するスタニスラフスキーの応答は、うっとりするという言葉は俳優の語彙にあってはいけないし、恐ろしく惚れているではなくて恐ろしく注意を払っているでなくてはいけなくて、愛は何よりも相手に対する驚くほどの注意で表されるというものだった。もし仕事や会社をも愛せよなどということが言われるなら、それはせめてそのような愛であってほしいものだ。