青木先生が『鉄道忌避伝説の謎』を出版されたのは2006年で、もとになった研究は1980年代ぐらいまで遡ると思うのですが、世にはそれほど知られていないようです。今回の特集は私を含め青木先生の影響を受けた人が書いていて、正統的な歴史地理学から伝説を批判します(多分)。
とかいいつつ、歴史地理学の正統的な系譜の議論は、三木理史先生や天野宏司先生がやってくださるだろうと思いましたので、いちおう経済史屋ということになっている私は、経済的なお話を書きました。明治の鉄道の寂しい懐事情から、「鉄道忌避」みたいな路線を取らざるを得ない理由に迫ります。
月刊誌『地理』は、高校の地理の先生を中心に、地理ファン向けの雑誌で、ときどき鉄道特集をやります。私も何冊か鉄道特集号は買って読んでいたので、思いがけず自分が書く側になれたことは、大変うれしく思っています。そういえば昔買った号には、私が高校で習った地理の先生が寄稿していたなあ。