福島の中間貯蔵施設は、30年後県外移転を含めて、問題を多く抱えた施設で、予定地となったすべての地権者が納得しているわけではないという前提の上でですが、交渉にあたって、環境省は、当事者の頭越しになにかを発表することはしないように相当に気を遣っていました。
先にマスコミには漏れますし、追求もされるのですが、「当事者に伝えるよりも先に公表することは控えさせていただく」という姿勢に徹していました。
そのことそのものがマスコミからは大きな批判を浴びていましたが、批判を受けても住民への説明が先に終わるまでは黙っていました。
(一方で、報道がそれを追及するのも、権力の監視として必要なことであったと思います。)
こういう姿勢は当事者には伝わりますし、それがあったからこそ、用地取得が比較的スムーズにできた、ということも知られておいた方がいいと思います。
政治部思考の人は、なにかとすぐに政治家の手柄であるかのように書きますが、政治家が上でごにょごにょやり取りをしたから、すんなり決まったというような簡単なストーリーではないです。