「津山三十人殺し」の Wikipedia を読んでいたら、都井睦雄が犯行前に電線を切って集落を停電させたところに「地域の電力会社は未詳」と注記があるので、そんなもん『電気事業要覧』見たら一発やがなと思って調べたら、加茂水力電気というプチ会社だったことが判明しました。
出典は『電気事業要覧』第30回の624ページです。岡山では中国合同電気とか山陽中央水電とかの勢力が強かったのですが、その間隙に苫田郡加茂町・西加茂村(事件のあった村)・東加茂村の一部だけを供給していたのが、加茂水力電気でした。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1073660/1/343
加茂水力電気の概要を要覧から拾ってみると、1938年時点で電灯数2,530で、60kWを受電するささやかな事業でした。水力と称しながら自前の発電所はありません。面白いのは本社の場所が中国合同電気と同じで、傘下にあったと思われます。