東日本大震災の時の国交省の東北地方整備局長のコメントが引用されています。
「あのときの機転だけでできたことなんて、一つもなかったんですよ。備えていたことしか役には立たなかった。災害が起きる前にどれだけ準備できていたか、というのが非常に大きかったんです」
東日本大震災の時の原発事故対応についても、私はそう思っていて、最初期の一ヶ月くらいは事前の規定に基づいて動いていたので、それなりに筋の通った対応になっていたのですが、避難指示が長引くことや、解除については決めていなかったこともあり、それ以降、どんどんわけのわからない展開になっていった、と思います。
復興に向かうに従って、意思決定に不慣れな国民文化と、無能力な政治があいまって、混沌としていくというのは、たぶん、能登でも同じことになるのでは、と思います。
能登の自治体も大きくはありませんから、今後の難しいまちづくりを新たに考えていく知恵もそれを実行する体力もあるとは思えません。
となると、従来の「自治体のご要望にしたがって」のあり方になり、そうなると福島で行われているように、高度成長期型の自治体単位で箱物をばら撒く、以外の知恵は出てこなくなると思います。