海を見に行こうとひとりで歩いていたら、通りすがりのおばあさんに 「旅の人かい。今日は大潮の日だよ。あそこに見える島に歩いて行ける日はそうそうない。あさりもはまぐりも取り放題だろうねえ」 と言われた。会話はできず、ぼくが何か返事をしようかと言葉を選んでるうちにどこかへ去っていってしまった。 ぼくは料理をしないので(そもそも旅先だ)、あさりやはまぐりをとってもどうしようもないのだが、久しぶりに童心にかえって潮干狩りをするのもいいなと思った。 さっそく島が良く見えるところまで近づいてみると、なるほど歩いて行けそうである。何の道具も持っていないけどそれほど取れるのだったらいくつかは掘り出せるのではない…