トルクス (Torx) とは、1967年にアメリカ合衆国のテキストロン・カムカー社(CAMCAR DIVISION OF TEXTRON Fastening System Inc.)が開発した六角星型のねじ頭の規格。トルクスという名称は登録商標のため、ISO 10664で一般名称をhexalobular internal(ヘクサロビュラー・インターナル)としている他、ヘックスローブ(6個の突起)またはヘクスローブとも呼ばれる。
用途
マイナスネジの場合、ドライバーとネジの中心を合わせ続けなければならない。また、ドライバーの刃先がネジの頭から使用者側に押し出されて、ネジの頭から外れるカムアウト現象により、ネジの頭を痛めてしまうことがあり、これを防ぐために回す間はネジを押し続ける必要がある。プラスネジになって中心を合わせることは不要になったがカムアウト現象は解決されなかった。それに対してトルクスはネジの頭が六角の星型をしているためドライバーとネジとのかみ合いが強く、力の伝達効率が非常に高い(カムアウトしにくい)ことが特徴である。このためヨーロッパではプラスネジを抑えて主流になりつつあり、ヨーロッパ製の自動車やオートバイなどにも数多く採用されている。
日本では2000年代に入ってもそこまで一般化(普及)しておらず、このタイプのねじは一般家庭に常備されているプラス・マイナスのドライバーで回すことができないため、いたずら防止を意図して用いられることもある。しかし最近(2009年時点)ではホームセンターや100円ショップなどでもトルクスドライバーが販売されるようになり、誰でも簡単に手に入れられるようになっていたずら防止の効果は低くなっている。なお、ねじ側の中心部にいじり止めと呼ばれる突起のある物とない物がある。
Appleのコンピュータ、Macintoshには古くからのこのトルクスねじが使用されており、ヒューレット・パッカード(旧コンパック)のパソコンにはトルクスとマイナスのどちらでも回せるネジが使われている。
ねじサイズ
トルクス (Torx) ねじのサイズは、その頭文字を取ってT10などと表記され、Tの後に続く数字が大きいほど、大きいねじ頭となる。トルクスねじを回す場合は、かみ合いが強い分…