KADOKAWAの例の本は、不確かな説を含み医療を受けた本人の語りで構成されているわけでもないが、加えて倫理的な問題もあるという瀬戸マサキさんの指摘。https://twitter.com/MasakiChitose/status/1732245671443681774
トランス男性/AFAB /FT系当事者の身体的特徴を揶揄する(「こんなに女の子に見えるのに」=気の迷い、思春期にありがち)のは、「女子ども」扱いした上での主体性の否定であり、当事者の気力を繰り返し奪ってきた。トランス医療の議論に資するような内容ではない。
そもそもKADOKAWAは「不妊化要件が違憲となった今」という煽り文句も付けていたが、この本に鑑みれば手術の可能性が減るのは歓迎すべきことではないか。実際の当事者の身体を本当に慮っていればこういう書き方にはならない。
「言論弾圧」だ、知る権利があると言う人々は、日本の医療状況に目を向けたことがあるのだろうか。本人が希望している以上の手術を勧める医師がいる、正規医療の手術で満足できず他所で修正する当事者もいることは15年前から書いてきた。そうした足元の現実はどうでもよく知ろうともしてこなかったのに、この翻訳は大切だと思うなら、何によって気持ちが動かされたのかを考えてみてほしい。(下に続く)