ちなみに、安倍さんが銃撃されたのとほぼ同じ日に海外のどこかで、麻薬中毒の若者による田舎町の無差別銃撃事件があり、多数の犠牲者が出て大きく報じられていました。その遺族の記者会見もBBCかなにかで流れていたのを見ました。
教師を務めていたと言う犠牲者の夫が、「彼女は母であり、妻であり、娘であると同時に、すばらしい社会人であった。彼女をたんなる犠牲者として報じるのではなく、社会と地域に尽くした人として記憶してほしい」といった、悲しみを抑えながら、しっかりとした口調で答えて、静かな記者会見会場は、その言葉に多くの人が胸を打たれていた様子でした。
海外では市井の人が、身内を亡くした数日後にこれだけしっかりした記者会見をしているのに、日本の政権中枢にいた政治部おじさんたちは、一番言いたいことが「安倍さんのいる世界に飛んでいきたい!」か…。この人たちの感性には、根本から公共性なんてかけらもないんだな…。と遠い目になったのを記憶しています。
件の海外の銃撃事件は、確か、先住民族コミュニティで起きた犯罪で、背景には先住民族の若者が、貧困連鎖と教育や就職の格差によって将来への希望を見出せず、麻薬中毒となることが社会問題化しており、そのなかの1人による犯罪という、かなり救いのない事件だったと思います。